魔法の間取り術

絶対に失敗しない!成功する間取りのレシピ

その間取りは安全ですか?

f:id:magicplan:20190619215315j:plain たとえ全ての要望が過不足なく満たされた間取りであっても
それが地震や台風に対して考慮されていなかったら意味がないですよね。

今回は、あなたの間取りがどれくらい安全なものかをチェックする方法を伝えます。

誰でも感覚的に理解できる安全チェック法です。
ただし、この安全チェック法は、一般的な2階建て木造住宅をチェックする方法です。
ハウスメーカーによって独自開発された木造工法や、鉄骨造、RC造には適用できません。
ご注意ください。

壁直下率は60%以上とする。

壁直下率という言葉を聞いたことはありますか? これは、1階と2階の壁の位置がどれくらい同じかを示す指標です。

で、この壁直下率ですが
一般的には60%以上だと安全だと言われています。

簡単に言うと
1階と2階の壁の位置が6割以上そろっていると安全ってこと。

もしもいま間取りが手元に用意できるようならチェックしてみましょう。 できれば赤と青の蛍光ペンも用意してください。

壁直下率検討法

では早速、検討をはじめてみましょう。

  • 1階の間取り図を用意する
  • 1階の間取り図の壁部分を赤の蛍光ペンで塗る
  • 1階の間取り図に、2階の壁を青の蛍光ペンで書く
  • 現在、間取り図には赤と、青と、赤と青の色が重なって紫になっている線が書かれいます
  • 紫の線の長さを測る
  • 赤の線の長さを測る

線の長さは測り終わりましたか?

  • 紫線長さ<赤線長さ:間取りを作り直した方が良いかも。
  • 紫線長さ=赤線長さ:そこそこ安全ですが、壁の調整で壁直下率60%以上が目指せるかもしれません。
  • 紫線長さ>赤線長さ:次の計算をして60%以上か検討してみましょう。

紫線長さ÷(赤線長さ+紫線長さ)×100=壁直下率(%)

例えば、紫線長さ:12m、赤線長さ:8mの場合
12÷(8+12)×100=60%
で、60%以上なので安全となります。

どうでしたか?
壁直下率は60%以上になったでしょうか?
文章だけだと解りづらいので、参考になる動画を紹介します。

https://youtu.be/1omFTUPD3b0

ここまで書いておいて何ですが、、、

壁直下率って、法律で決まった基準ではなく、あくまで安全に対する一つの指標に過ぎません。
これは住宅工事を仕事にしている人間なら、誰でも運用できるように作られた簡易的なモノサシです。

なので、壁直下率が悪くても、きちんと構造設計されている家は沢山あります。
ちなみに耐震性能を示す耐震等級においても、壁直下率の規制は何もない。
さらにちなみ言うと、60%以上は安全も根拠があるのかどうか不明です。

言いづらいことですが、、、
壁直下率とは、質の悪い業者が建てた家でも、安全性が担保されるように作られた安全弁なのではないかと思われます。

「せめて、壁直下率60%以上の家を作ってくれれば、そこそこ安全になるよ」
と言った感じの指標。
ただ、これは安全性とはあまり関係はありませんが、壁直下率が60%以上あると、少ない材料で作れるので経済的だということは補足しておきます。

まとめ

壁直下率は安全に対する簡易的な指標。
60%以上なら、そこそこ安全で経済的な家が作れるよ。
でも、絶対的な指標ではなく、壁直下率が悪くても安全な家は沢山ある。
なので、一つの目安として壁直下率を使ってみてください。

※どうしても実現したい間取りがあって、その間取りの壁直下率が悪いようなら、木造専門の構造設計をしている建築家に仕事を依頼することをオススメします。

品格のある家って何だろう?

f:id:magicplan:20190615235152j:plain 特別に着飾っているわけではないのに品のある人に遭遇することがある。
でも、その人の何が品性を感じさせているのか全然わからない。

同じように品格のある家というものが稀にある。
人間の場合、何が品性を感じさせているのか言い当てることができないけれど
家の場合、たぶんこれが理由かも、、、
と思うことがある。

品格なんて個人的な感覚で
他の人には共感してもらえない事柄なのかもしれないけれど
今回は品格のある家についてお伝えしようと思います。

私が品格を感じる家って、玄関に3つの特徴がある。

玄関庇に手が届きそう

まさに感覚的なこと。
たいていの場合、玄関には庇があるものですが
その庇が、手の届きそうな高さにある玄関は品があって気持ち良さそうに感じる。
おおよそ、2.2mぐらいの高さの庇。
来訪者は優しく受け入れる風情があるというかなんというか、、、
逆に玄関庇の高さが高い家は大雑把な印象。

道路から玄関ドアが見えない

防犯上の観点から言うと問題があるのかもしれないけれど
道路から玄関ドアが見えづらい家も品を感じる。
しかも、そこに至るまでのアプローチがデザインされていると、なおいっそう。

ガーデンベンチが置いてある

まさに無駄の極み。
いったい何のために玄関にガーデンベンチを置くのだ?
しかし品が、、、
品が、、、
あるのだ、、、

共通すること

これら3つの特徴に共通することは
非合理性、無駄といったものかもしれません。

別の言い方をすると「ゆとり」
もしくは「遊びの精神」
ガーデンベンチなんて、ゆとりがなかったら置きませんもん。

逆に品格のない家とは何だろう?

では、逆に品格のない家って、どんなものだろう?
私にとってのそれは、

  • 大量の太陽光パネルを乗せた
  • 片流れの屋根で
  • しかも家が思いっきり北側に寄せてあって
  • 北側の家の日当たりが一日中わるくなってることを理解していない家

である。

要するに、、、 自分の欲望が駄々洩れしている家。
自分が周りにまき散らしている欲望に鈍感な家。
経済合理性から考えると正解なんでしょうが
こういう家を見ていると
品格のある家は作れなくても
せめて、欲望が駄々洩れしている家だけは作らないようにしようと感じる。

事程左様に、品格とは難しいものだと
品のない文章力で書いてみるのであった。

最後に

世間では
「賃貸と持ち家とどちらが得か」
という議論があるけれど
どちらが得かはともかくとして

経済合理性のモノサシだけで家づくりを議論するなんて虚しいだけでしょ

と思う(もちろん、家づくりにはたくさんのお金が必要だから経済合理性を無視することは間違い)。

そして、こういうモノサシの議論の果てに生まれるのが
経済合理性に基づいた品格のない家なのだろう。

廊下の少ない家

f:id:magicplan:20190613212934j:plain いまの家、廊下の少ない家が増えてます。
無駄を無くして、家の隅々まで有効に使い切りたいと要望を反映した結果。

そこで今回は、廊下の少ない家を実現する方法をお伝えします。
もしも今、手元に自分が書いた間取り図や、ハウスメーカーで書いてもらった間取り図があったら、
無駄に廊下が無いかチェックしてみてください。

案外、家づくりの専門家であるハウスメーカーでも無駄な廊下が多いものですよ。
理由は間取り図を設計士が書いているのではなく、営業担当者が書いている場合があるから、、、

もしも手元の間取りの廊下の面積が無駄に多いようなら、たぶん営業担当が間取りを書いているかも。
もちろん、だれが間取りを書いていようと、納得のいく間取りならぜんぜん問題なしだと思います。
下手な設計士よりも、間取り作りが上手い営業担当もいますし。
※念のために言っておくと、全てのハウスメーカーが営業が間取りを考えているわけではないです。

以下、廊下の少ない家を実現する3ポイント

玄関と階段を近くに設置

当然と言えば、当然ですが、、、
玄関と階段が遠いと、2地点をつなぐ経路が無駄な廊下になってしまいます。

リビング階段にすれば、廊下が無くなるようにも感じますが、
階段への経路を確保するため、リビングに設置する家具の位置に制限が出てしまいます。 リビングの面積の割には、使える面積が減ってしまいます。

そのため、基本は玄関と階段の位置を近付けることをオススメします。
特に部屋数が多い間取りの場合は、玄関と階段を近付ける以外に、
玄関と階段を家の中央にもってくると、さらに廊下の空間を減らすことができます。

廊下に収納を併設する

廊下に移動する以外の機能を持たせることで
無駄ではない空間にすることが可能です。

廊下に奥行きの浅い収納を併設することも、そのひとつです。
収納は奥行きが深いと、奥にしまってあるものが取り出しづらく使い勝手が悪いので
浅い奥行きの収納を設置するのがポイント。
何を収納するのかを明確にして、必要な分の奥行きの収納を作りましょう。

たとえば、サニタリースペースへ行くための廊下が必要なら
そこには、タオル、下着、トイレットペーパー、掃除道具等がしまえる収納を用意する。
収納の基本は、物は使用する場所に置くこと。そうすれば、物が散らかることが減ります。

あるいは、2階は個室が並ぶことが多く、長めの廊下が必要になるので、
奥行きが25cm程度の本棚を設置することも可能。
個室内に本棚を設置しなくても良くなる分、部屋が広く使えます。

あえて廊下を広くする

広い廊下、、、
それはもう、廊下ではない!

あえて廊下の幅をひろげて、廊下に移動以外の別の役割を与えてみる。

たとえば、カウンターと椅子があれば書斎が作れるし、
ソファーと持ち運び可能な超短焦点プロジェクターを置いてシアタールームにすることもできる。

さいごに

今回、お伝えしたポイントを元に
手元の間取り図をチェックしてみてください。
もしかしたら、家がきれいに片付く収納や、書斎やシアタールームが手に入るかもしれません。

天井が低くても解放感のある家を作る方法

f:id:magicplan:20190611213116j:plain
質問:家中の天井が高ければ解放感があって広々とした家になりますよね?
回答:いいえ、まったく、、、(←じつにそっけない回答)

じつのところ、すべての部屋の天井が高いと、高さ慣れしてしまって解放感って感じない。
そこで今回は、継続して解放感を感じられる居心地の良い家の作り方をお伝えします。

天井の高さはリズムで決める

ひとは家の中に天井が高い場所と低い場所の両方があることで空間の高さを意識することができます。
なので、家中の天井を高くしただけでは解放感は得られないのです。
そこで、吹抜のように解放された空間の周りには、あえて天井の低い場所を作ってあげる。
そうすると、天井の高低差によって、高い場所は解放感が生まれ、低い場所は空間に落ち着きが生まれます。
例えば、リビングに吹抜を設けるなら、すべての天井を高くするのではなく、ソファーを設置する場所は天井を低くしてみてください。
自分が座っている場所は落ち着きのある空間でありながら、目の前には開放的な吹抜が広がっているので居心地の良いリビングとなります。

窓の高さに合わせて天井の高さをきめる

窓の高さ(2.2m)に合わせて天井(≒2.22m)を作ると広々とした感じがします。
窓の上に下り壁がなくなり、壁一面が窓になることが理由です。
内部建具もそれに合わせて高さを揃えれば、さらに空間の水平方向に広がりを感じるでしょう。
しかし注意点もあります。
それは、既製品のキッチンを使用する場合、通常、2400mm程度の天井高用に作られていること。内部建具が特注寸法品となることです。窓の高さに合わせて天井高さを決めてみようかなと思った方がいらっしゃいましたら、この2点だけは気を付けてください。担当者に「ちゃんと納まってる?」と聞いてみてください。

狭い部屋は天井を低くしよう

狭い空間(例えばトイレや洗面所など)の天井を高くしてしまうと、かえって圧迫感を感じることさえあります。狭い空間は天井が低い方が落ち着きが生まれて居心地の良い住まいとなります。
そして、この天井の低さが、ほかの部屋の解放感につながります。

最後に

住まいで大切な事は居心地の良さ。
それを実現するために天井を高くして解放感を生んだり、逆に低い天井で落ち着いた雰囲気を作り出すもの。
天井を高くすることで、かえって居心地を悪くしてしまったら本末転倒ですよね。
今回の内容を参考にして居心地の良いを住まいを目指して頂ければ幸いです。

家づくりの成功は寝室の間取りで決まる?

f:id:magicplan:20190610211909j:plain 家の間取りで大事な事は何だと思いますか?

勿論、大事な事って人それぞれ。

たとえば、あなたにとってのそれは、、、

  • 見渡すほど広くて開放的なリビング
  • どこかで見たイタリア料理店のおしゃれなトイレスペース
  • 使いやすくて、なおかつリビングとダイニングが見渡せるオープンキッチン
  • シアタルームを兼ねたロフト

だったりするかもしれない。

うん、これらはたしかに大事なもの。

でも、わたしが今日、あなたに伝えたい事は寝室の間取りのこと。
寝室のレイアウトやデザインが、実は家づくり(と、その元になる間取りづくり)成功を決める一番重要な条件かもってこと。

多くの人と家づくりをしてきて感じる事のひとつに、リビングのこだわりに比べて寝室へのこだわりが少ないことがある。
とりあえず6帖~8帖の部屋に収納があればOKといった感じ。寝室の優先順位が低い人は結構いるのだ。
たしかに予算の都合から、眠るだけの部屋よりもリビングやダイニングに予算を使うのも仕方ないのかもしれないけれど、、、
だからこそなのか、寝室にまで気を配っている間取りの家は、隅々まで美しく整った姿をしている。

時折、家に予算を使い切って、外構にまで手が回らなかった御宅を見ると、どんなに立派な家でも美しい立ち姿には見えない。
お金が貯まってから外構を行うつもりかもしれないけれど、世の中、勢いというものがありまして、その時に作らないと、結局、作らないものなのです。

それはともかく。

要するに、適切な予算配分を行って、寝室(や外構)にまで気を配ることが大事だよってこと。
しかも日本人の多くは慢性的な睡眠不足。日本は睡眠時間負債国家。ゆえに上質な睡眠が得られる寝室を作ることは、重要な社会福祉なのだ(それは言い過ぎww)。
もしかしたら、この睡眠軽視の風潮が寝室に対する無関心の象徴なのかもしれないですね。

うん、うん、御託はわかったからさー
「で、上質な寝室を作るにはどうしたらいいの?」

上質な寝室を作るための3原則

上質な寝室の理想のひとつとして、ホテルのようなラグジュアリーな空間があると思います。
今回は、これから家を計画する人向けに、そんなホテルライクな寝室を作るためのポイントを3個お伝えします。
勿論、これから述べる事以外にも重要なポイントはありますが、今回は間取りの観点に絞ってお伝えさせてください。

  1. ベッドヘッドに窓を作るな
  2. 収納量は壁の長さに比例する
  3. サニタリールームへの専用動線を確保せよ


ベッドヘッドに窓を作るな

頭の上に窓がくるようなレイアウトは避けましょう。
窓付近の冷気が睡眠を妨げてしまいます。
ベッドヘッドには非日常感を演出するため、アート作品等を飾るのがオススメです。
もしくは、奥行きの浅いカウンターを設けて、スマホの充電スペース、雑貨や家族の写真を飾っても良いかも。カウンターを設ければ、ベッド脇のナイトテーブルを省略できるので、狭い寝室でも物が溢れず洗練された空間になります。


収納量は壁の長さに比例する

ホテルライクの寝室で重要な事は、先程も書きましたが、空間に余計な物が溢れていないようにすることです。
その為には適切な収納スペースが必要になります。
しかし、ここで結構、勘違いされている人がいます。
それは、収納スペースの面積=収納量、ということ。
収納量は、収納スペースの面積ではなく、収納として使える壁の長さに比例します。
特に正方形のウォークインクローゼットを計画した場合、面積の割には収納として使えるスペースは少なかったりします。
ご注意ください。


サニタリールームへの専用動線を確保せよ

欧米の寝室は完全なプライベート空間です。
各寝室には専用のサニタリールームが用意されています。
その為、身繕いが完全にプライベート空間で完結し、プライベート空間で使用するものが共用空間に溢れていくことを防いでいます。
要するに、サニタリールームがベッドルームと併設していて、しかもきちんとデザインされているホテルって滅茶苦茶カッコイイよね。だからそれを真似しちゃおうってことww
しかもクローゼット経由でサニタリールームへ行ける間取りになっていたら、動線の観点からも完璧。
これはなかなか実現することは難しいかもしれませんが、是非、担当する設計の方に相談してみてください。


まとめ

ベッドヘッドに窓を作るな
収納量は壁の長さに比例する
サニタリールームへの専用動線を確保せよ

さらに一言でまとめるなら、「上質な寝室を作る第一歩は睡眠に不要な物は極力置かない」ってこと。